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日本で急速に進む保育園の国際化

現在日本に暮らす外国人の数は増え外国人の子どもの数は、10万人を超えています。保育園でも外国人のお子さんを見かけることが多くなりました。将来国際結婚を目指している私。これから生まれる子どもはハーフの可能性があります。これからの教育現場に興味があるので、日本で急速に進む保育園の国際化について自分なりに調べてみました。

保育士の友人に聞いた保育園の国際化事情

とある保育園の記事を発見したのですが、その保育園は園児の80%が外国人又は両親の片方が外国人など、外国とつながっている子ども達が多く増加傾向にあるようです。おはよう・さよならのあいさつは9ヶ国語が飛び交い、園内ではみんな日本語。
日本人の子どもが多い環境で育ってきた私にとって、異文化の子どもたちが一緒に過ごす環境にはどんなメリットやトラブルがあるのか想像もつきません。
給食にも配慮が必要らしく「豚肉と野菜のいためもの・ご飯と汁もの」などは日本で一般的なメニュー。しかしイスラム教徒の子どもは豚肉が食べられないので、別のものに代えて出しているようでした。保護者が忙しくておかずをもってこられない子どもや栄養が偏ってしまう子どももいるらしく対応に追われているようです。
中には両親の母国へ行ったり帰ってきたりと、なじめない子もいるようでした。

園では馴染めない子どもや孤立しがちな子どもには「外国人相談員」という派遣のスタッフを導入。ベトナム・中国・カンボジア、ラオスなど、様々な国からの相談員を市に依頼して常駐してもらっているようです。外国人相談員は日本語が苦手な保護者と保育園側との通訳や保育だよりの翻訳も努め、外国人の子どもが多い園には必要不可欠な存在となっています。日本語がわからない保護者が急増しているということは、日本の保護者の皆さんも外国の文化に親しんだり理解したりして、子どもの育つ環境について一緒に考えていけるような社会を作っていかなければと思いました。

異文化を知る保育士が重要な人材

国際 子ども

保育園の国際化が進んでいる現在、異なる文化や言葉、考え方の違いなどに知識がある保育士が必要です。
東京都の鶴川女子短期大学は、幼児教育学科のみの単科短大でしたが、国際化の流れを受けて「国際こども教育学科」が新設されました。
日本で一般的な乳幼児教育分野を学ぶと同時に、海外の乳幼児教育や言語教育なども学びます。海外でのフィールドワークや留学を通じて、最終的にはカナダのアシスタント保育士資格を取得します。
卒業後に海外で保育士として活躍することはもちろん、外国人の多い国内保育園への就職も有利になります。

実際に東京都ではこのような特殊スキルを持った保育士が多く、東京都で保育士の求人広告を確認すると、英語のみの保育園や、外国人が多い保育園の求人を多く確認することができます。
都内の保育士の給与を平均4万円強アップする政策も施策されたため、他県にくらべて保育士の数が多く、教育水準も高い傾向にあると言えるでしょう。

また横浜市の「かながわ国際交流財団」という団体は神奈川県に住む外国につながる若者育成に取り組んでいます。保育士になるための勉強をしている期間、奨学金制度を設け授業料の半分を支給。これまでにブラジルやペルー、フィリピンの親をもつ若者が奨学金を受けて保育士を目指したそうです。奨学金は返す必要がないもので、今後の教育環境を構築するための制度として機能しています。

このように、国際社会に羽ばたいていく子どもを育てる環境が徐々に整いつつあります。お互いの「違い」が差別につながる世の中で、小さなころから様々な文化にふれる子どもたちが増えると考えると、私は頼もしく感じました。